今回は軽井沢あまり関係ない話。
ネットで誹謗中傷にどう対処すればいいのかという事をまとめました。
今回、質問箱というサービスでいろいろ匿名で質問を募集したのだけれど、ちょっと攻撃的なものや、個人批判なども散見された。いろいろ読ませてもらったが、なんというか、面白いなあと思った。
ブログ筆者は、過去にTwitter Japanで働いていたこともあり、ネットでの誹謗中傷や、攻撃的な発言などについては一般的な人よりは知見がある方かとは思っている。
同じような状況で悩んでいる人だったり、今はそうでない人でも、この時代何らかの形でツイートがバズったりその他の理由で有名になったりすることもあるかもしれない。なので、このように不快な発言を受けた際の処方箋をまとめてみようと思う。
1,批判的な発言の9割以上は匿名なので気にする必要はない
仏でもない限り、ほとんどの人は妬みや僻みを感じるものだ。
Facebookなどで、「これからファーストクラスでロンドン行ってきます」みたいな投稿を見たときには、「俺は飛行機はいつもエコノミークラスだぜこの野郎」くらいに思うのは、ごく普通の反応だ。少なくとも自分はうらやましいなあと思う。
ただ、Facebookでそういったコメントを返すことはない。なぜならFacebookは実名だからだ。実際に思っていることをそのままに、「リア充爆発しろ死んじまえ」とコメントしたら、櫻井テメエ何言ってんだコラ、冗談きついだろ(飛行機だけに)と思われるし、友達関係が壊れてしまう。
一方、全く知らない人に対して実名で攻撃するのもあまり見かけない。「こいつおかしいやつだなブロックブロック」あるいは「おまわりさんこいつです」みたいな流れになるのは自明だからだ。
みんな心の中ではそういうことを思ったりしていると思うが、実名ベースだと言わない。心の声は心の声のまま、聞こえない。
でも、インターネットで匿名で投稿する人は、そういう「ふだんであれば心の中にしまっておくような感情」を、わざわざ晒してくれているという考え方ができる。匿名の投稿を見た際には、うわーこの人の心の声が聞こえてしまったよ。俺は人の心が読めるエスパーになったかもな。。くらいに思っておけばいい。あるいは、この人は自分の感情を簡単に人に読まれてしまう人なんだな…かわいそうに…というくらいに思っておけばいい。
余談、Twitterに勤めていたときに得た知見をひとつ。Twitterユーザーを匿名と実名に分けて分析すると、匿名でTwitterを使っている人のほうが、実名で使っている人よりもツイート数は多いという結果になる。匿名だと、普段人には見せない心の中をさらけ出しやすいということなのだと理解している。
2,批判内容については同属嫌悪であることが多い
だいたい批判するときのポイントは、その人がコンプレックスを感じているポイントであることが多い。というかほとんどそれ。
質問箱の一つにこういう批判があった。
もしかしたらこの人は、自分の容姿にコンプレックスを持っている人なんじゃないかなあと。肌の色について、普段から何かしら気にしている人なのかもしれない。だから、それを他人に「投射」して見つけてしまうのだ。
こういう質問する人は自分の容姿にコンプレックスあると思うので自信持って生きてほしいです。あと人体で太陽光をエネルギーに変える方法あれば教えて欲しいです。ノーベル賞とれるかも #peing #質問箱 https://t.co/w7NHibqs3F
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) May 15, 2019
そもそも自分はどちらかと言うと地黒と言われる方なので、そう見えているのか、と逆にびっくりしてしまった。もちろん、フォトショップでちょっといじっている写真ではあるし、光もかなり多い場面での撮影なので、現物の印象と違ってみえることはあると思うのだけれど。
この発言者は、肌の色について論評したいのではなく、他人の肌の色について敏感にならざるを得ない何かを普段から感じているからである。いや、万が一可能性があるとしたら、発言者はレタッチのプロで、ホワイトバランス悪いよみたいなことをもしかしたら言いたいのかも知れないけれど。そうだったらごめんなさい。
この類の肌の色について言及するような発言は、日本社会ではまだしも、Twitterのようなアメリカの会社に勤めているようなら一発でクビになるレベル。日本の会社でも、場合によっては懲戒免職になることがあると思うし、そもそも自分の社会的な立場を自ら危険に晒すような発言は、匿名でもやめたほうが良いですよとはアドバイスしておく。
3,誹謗中傷についてのやりとりが注意喚起あるいはエンターテイメントになる
次のふたつは、上級者編。
誹謗中傷について対応すると、うまく注意を惹きつけられるコンテンツになることがある。どこかで煙や炎がたちこめているというシーンは、オフラインでもオンラインでも、良くも悪くも、人の目を奪うのに効果的ということだ。
例えばこの質問者の前半部分をみる限り、この人は攻撃的な質問についてもきちんと目を通してくれているようだし、結構読み込んでくれていることがわかる。
質問長いので何を聞きたいかわからない前半部分は飛ばすとして、光熱費の質問に関しては先ほど回答した内容を見てください。だいたい都市部の1.5-2倍以上は考えておいた方がいいです #peing #質問箱 https://t.co/cTzckosPZR
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) May 16, 2019
また、攻撃的になっている人たちにとっては、攻撃対象が弱っているのを見ることが最高のエンターテイメントになったりする。
答える価値のない質問や荒らしがあまりにも増えてきたので、残念ですが質問箱を削除します。でもせっかくなので明日5/17いっぱいまで受け付けます!この機会にぜひいろいろ聞いてくださいね☺️|軽井沢移住者の櫻井です 質問箱https://t.co/WNMk1Bnj1b
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) May 16, 2019
そのため、上記のように、あえて弱々しく「質問箱を閉鎖します。。」と綴ると、更に注意を集めることができる。(実際に質問数はこのあとに倍増した。)
この日で閉鎖します、というと、短期間で質の高い質問が集まってきたりするので、そういう作戦だったりもします。メンタル耐性弱そうに見せるのもTwitterで注意喚起するためのひとつのテクニックです。 #peing #質問箱 https://t.co/283Dt5PfnX
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) May 17, 2019
副産物として、質問箱終わっちゃうから早く質問しないと、といった形で多くの質問が集まるなど、感情をコンテンツにすることで、インターネット上のやり取りが活性化し、ポジティブな作用が生まれたかと思っている。
ただこれはあまりネットの炎上に慣れていない人は、使わないほうが良い。インターネットのやりとりは、感情的になってしまうことが多く(自分も未熟ながらそういうことがあります)、生産的なやりとりにならずに時間だけ無駄になることがある。
ただ、このパターンは、感情的にならず、2手3手先のやりとりまで計算できる状況でないと怪我をする可能性がある。ギリギリのところを攻める。なので上級者向けということで。
4,まともに返信するのではなく、ジョークで返すのもエンターテイメントになる
次もちょっと上級者向き。攻撃的なコメントに対して、ジョークで返すという技。
駅弁ビジネスを真っ向から否定する質問内容でワロタ #peing #質問箱 https://t.co/himXhy6a8R
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) May 15, 2019
これをすることで、攻撃的なコンテンツに対して落語のようなオチを付けることができる。この、どのようにかわすか、というのは結構頭をつかう作業なのだが、うまくハマると嬉しい。
このツイートがうまくハマっているかどうかの判断は読者に委ねるが、いいねを15もつけてもらった。他の回答ツイートの中には15もいいねがついたものはないので、このツイートは比較的みんなに楽しんでもらえたのかなあと思っている。
5,批判者は何かしら本人の生活に不満を抱えている
最後は、なぜ人はそもそも匿名で面識もない人に対して罵言雑言を投げかけるのかという話。
現状の生活がうまくいかないため、とりあえずなにか人を攻撃することでストレスを発散することがある。「おまえはダメだ」「仕事ができないやつだな」そんな形で日々批判される事が多いと、他人に対しても攻撃的になる。
心理学でいうと、防衛本能というやつだ。「攻撃機制」が一番近いかも知れない。
ツイートはただのテキストではない。Twitterの奥には人がいる。そして、その中には、なにかしらの理由があり心に闇を抱えている人もいる。
相当昔の話なのだが、Twitterで春名風花さん(はるかぜちゃん)という子役(当時)に攻撃的なツイートを浴びせているユーザーがいた。
その人は「一輝」という名前だった。本名なのか仮名なのかはわからない。また、現在はアカウント削除してしまったようなので、当時のツイートは見返せない。でも覚えている限り、確か内容は「ブス」とか「死ね」とかそういうものだった気がする。
なぜそういう行動をとったのかわからないが、当時の自分はこのユーザーに対して、以下のようなツイートをFF外から投げかけた。
@takeuchi1227813 一輝さんの身に何があったかわからないですが、人生長いと思うので、辛いことあっても負けないでください。cc: @harukazechan @seri_3
— 櫻井泰斗 Taito "T-man" Sakurai (@SakuraiTaito) September 13, 2013
すると一輝さんは、「直近で両親が離婚しました。それが許せない。むしゃくしゃしていて、つい何も悪くないはるかぜちゃんにあたってしまったんです」と告白してくれた。FF外からツイートもしてみるもんだ。
一輝さんのツイートはもう消えてしまったけれど、以下がその後、一輝さんに返したツイート。
@takeuchi1227813 そうなんですね・・それは辛かったですね・・ 私の歳になると、親も人間だということがわかります。そして人間はだれでもダメなところが必ずあるのです。今は難しいかもしれないですが、いつか許せる時が来るといいですね。。cc: @harukazechan
— 櫻井泰斗 Taito "T-man" Sakurai (@SakuraiTaito) September 13, 2013
はるかぜちゃんもこのやり取りを見ていてくれたようで、最後のツイートにいいねをつけてくれた。
@takeuchi1227813 人生、時間が解決してくれることもあると思うので、今は、一輝さんが、変化した環境の中で、ひたむきに生きていくことが大事なのかもしれません。はるかぜちゃんさん@harukazechan はこのやりとり、きっと見ていてくれていると思いますよ。
— 櫻井泰斗 Taito "T-man" Sakurai (@SakuraiTaito) September 13, 2013
もう2013年と昔のやり取りだけれど、一輝さん、今は元気に生きていてくれると良いなあと思う。
今回はあまり軽井沢関係なく、一般的なインターネットリテラシーについて真面目に書いてみた。
インターネットでは、時間だけ無駄に費やすような不毛なやり取りもあるけれど、角度を変えると人間のいろいろな面がより見えてきたりするので、味わい深いなあと思う。
ということで、このブログ記事が、いつか誰かの役に立ちますように。
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このブログについて:とあるIT系企業に勤める会社員が、軽井沢から東京に新幹線通勤して、きちんと仕事がまわるのかを実験している記録です。新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。
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