#広報軽井沢改善署名 の活動は、令和元年台風19号から2ヶ月弱という短期間にもかかわらず、全632名の署名が集まり、12月9日に藤巻進町長に提出することができた。
(なお、#広報軽井沢改善署名 の詳細はこちらにて)
この日には、町長および住民課の課長と30分ほどの面会の時間をもらい、協力者の思いを届けることができた。
#広報軽井沢改善署名 を藤巻軽井沢町長に渡してきました。SNSアカウントは年度内にはじめたい、との力強い言葉をいただきました、期待しましょう。
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) 2019年12月9日
なお衣装はインバウンド旅行者をイメージしたものになります pic.twitter.com/cM79WUqW8J
率直な感想になるが、署名活動など、人生で自分が進んでやるなんて思ってもいなかった。どのように進めればいいのか、メンバーがどのくらい集まるのか、署名が何人まで伸びるのか、最終的にどのようなアピールになるのか、そして町は動くのか。
いくつも不安材料があったが、とりあえず最終的にひとつの形になり、軽井沢町はSNSアカウントの開設を約束してくれた。
まだまだ運用がどのようになるか、不透明ではあるが、何かしらの影響は与えられたのではないかと思う。
さて、この署名活動をしてみて、個人的に感じたことがいくつかあったので、#広報軽井沢改善署名 の裏でどのような動きがあったのかを共有したいと思う。
1,軽井沢町からの情報発信について、多くの人が問題意識を持っていた
まずはこの署名活動のきっかけとなった以下のツイートについて。
浅間山噴火や台風など、#軽井沢町 は有事の際の情報発信があまりにお粗末なので、改善を求める署名を考えています
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) 2019年10月12日
3つ改善を要求します
1)Twitterの開設
2)ウェブサイト/拡声器/メール/Twitterでの情報発信内容の統一
3)情報発信時の周辺自治体との広域連携
賛同の方、いいねかRTおねがいします
このツイートは大きな反響があり、そのツイートインプレッション(ツイートが読まれた回数)は70,000回を超えた。
また、社会的に著名な方からも、賛同の声があがった。
たとえばこちらはスカイマーク航空の佐山会長のツイートである。
軽井沢移住者の櫻井さん、仰るとおり、電話して聞くわけにもいかないし、各自治体でもSNS活用して欲しいですね。賛成です。 https://t.co/9vK6nzU94T
— 佐山展生 Nobuo Sayama (@nsayama) 2019年10月14日
台風の中、多くの人が同じ問題意識を抱えていたんだなあということを感じた。
2,全く顔を合わせずにプロジェクトが進んでいった
署名活動をすすめる上で悩ましかったのが、どのように活動を進めていけばいいかということ。
正直な所、自分ひとりではとてもでないがリソースが足りない。当初はどこまでいけるかわからないが、とりあえずオンラインだけで募集し、ある程度の数が集まったら提出するし、あまり大きい数にならないようであれば、別にいいか、その程度の考えだった。
しかし、署名活動をやってみようか、といったその日から、複数の人から協力したいという申し出があった。そのため、Twitterだけではあるが、以下のような協力依頼のツイートをしてみた。
#広報軽井沢改善署名、紙での署名活動にご協力いただける方はご連絡ください。一旦、本日中に集まった有志で、ボランティアグループを結成します。ご協力いただける方、いらっしゃいましたらよろしくお願い申し上げます。 https://t.co/Ok75fTY1fq
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) 2019年10月18日
1週間ちょっとで集まったメンバー、なんと10人。協力と言っても、自分のプライベートな時間や労力を割くことになるし、活動費ゼロなので完全なボランティアである。よく集まってくれたなあというのが、正直な感想だ。
ただし、完全なる即席メンバーである。会ったことがある人は半数もいない。本名も住所も電話番号もわからない。何なら、年齢や、性別だってわからない。そんな状況で、署名活動という、決して簡単でないプロジェクトが進められるのだろうか?
結果としては、まったくトラブルなく、かつ精力的に署名活動は終わった。なんと、Twitterのダイレクトメッセージだけでコミュニケーションが完結してしまったのだ。。
ちなみにメンバーとは、途中で一度だけ簡単な懇親会をした程度。しかも、何かを決めるようなミーティングではなく焼き鳥を食いに行きましょう、有志で集まりましょう、くらいの軽いノリだった。
メンバーの中には未だに会ったことがない人もいるし、話したことがない人もいる。働き方改革とか、テレワークとか、いろいろ言われているけれど、本当に目的意識と向かう方向がはっきりしていれば、直接顔を合わせる必要もなくプロジェクトは進められるという、貴重な経験だった。
3,多くの施設が好意的に協力してくれた
集まったメンバーの力はすごかった。実際に足を運び、軽井沢町やその周辺の多くの施設に署名用紙を設置した。その施設の数、なんと23。
この場を借りて、協力してくださった施設の皆様に感謝を伝えたい。ありがとうございました。
ル・パステ 様
鳥くり 様
軽井沢インドアゴルフスクール 様
グリーンルーム 様
タルタニアン 様
ル・ボン・ヴィボン 様
ローリング・ピン 様
モン・シュマン 様
ロンギングハウス 様
バード 様
エホンゴホン堂 様
おらが製菓 様
ビストロじゅん 様
アフェネステッラ 様
カフェイーナ 様
シェーカー 様
アダージオ 様
茶房ハル 様
エフア 様
ビジョンステーションメガネ 様
アトリエneco 様
pace around 様
酒場8 様
ケビンズバー 様
ここまで多くの場所に設置することは、絶対に自分ひとりではできなかったと思うし、現場でも好意的に協力の声が上がったのは、署名活動メンバーを大きく勇気づけてくれたと思う。本当にありがとうございました。
4,信毎と軽井沢新聞に複数回掲載があった
署名活動は一種のデモンストレーションなので、署名した人だけでなく、それ以外の人にも情報が届き、認知されることが重要だ。そういった意味では、地域の情報源として大きな影響力を持つ、「信濃毎日新聞」と「軽井沢新聞」に掲載があったのは非常に意義があることだった。
軽井沢新聞11月号に #広報軽井沢改善署名 のことを取り上げていただきました。軽井沢新聞社(@vignette01)さん、ありがとうございました。
— 軽井沢移住者の櫻井です (@HelloKaruizawa) 2019年11月12日
観光は町の基幹産業。災害時に最も立場が弱くなるのは土地勘のない旅行者です。災害時のオープンな情報発信が、命を守ることや減災に繋がると信じています。 pic.twitter.com/QAdSTNwH2Z
しかも、どちらの新聞にも、2度取り上げられたのは嬉しい誤算だった。
この活動について取材してくださった各紙の記者お二人に感謝します。
5,軽井沢町の教育関係者に署名がもらえなかった
最後に一つ残念だったこと。軽井沢町で影響力のある人にも署名をして、町に対して訴えてもらおうと、教育関係者にお願いをしたのだが、断られてしまったことだ。「町にお世話になっているから」「町役場に関わっているから」という、理由だった。
町に近いところで仕事をしていると、この訴えに賛同できないというのは、自分としては解せぬロジックだ。純粋に、一人の町民として、SNSで情報が伝わってきてほしい、そういった基準で考えてほしかった。
Twitter Japanに勤めていたときに、一つの情報で救われる命をいくつも見てきた。命を救うのに、政治的背景や、ましてや忖度など、関係あるはずがない。ましてや教育関係者なのであれば、親御さんだったり、預かっているお子さんの安全安心につながるはず、お願いすれば協力してくれるのではないかと大きく期待していた反面、断られたことが、大変残念であった。
具体的な教育関係者の名前をここで言及するつもりはない。なにか自分が知らない別の理由があるのかもしれない。ただ、署名活動チームから直接お願いしたにもかかわらず断られてしまったことは、個人的にはすごく悲しかった。
最後に。一旦この活動は終わったけれど、軽井沢町のSNSはまだ立ち上げられていないし、今後どのように運用されていくのかわからない。どうか、この活動に賛同してくださった皆様、賛同していないけれど各紙の報道やこのブログを見て共感した皆様、今後の行方について見守ってください。
追伸:署名活動開始から約5ヶ月後、2020年3月23日に軽井沢町公式TwitterとFacebookが開設されました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
住民・別荘所有者・旅行者関係なく情報で救われる命と、安心安全な軽井沢町の将来と、災害のときに少しでも減災になることを願って。
このブログ記事と、署名活動が、いつか誰かの役に立ちますように。
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このブログについて:とあるIT系企業に勤める会社員が、軽井沢から東京に新幹線通勤して、きちんと仕事がまわるのかを実験している記録です。新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。
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