このブログのはじめのポストとして、そもそもなぜ軽井沢から新幹線通勤をしようかと思ったのかということを綴っておこうと思う。まあ、個人あるいは会社の事情を踏まえると、色々と理由は挙がってくるのだが、こういったブログポストではなんかタイトルに番号をつけておいたほうがアクセス数が上がるって聞いたことがある(安直)ので、とりあえず3つにまとめてみた。
1,場所を問わず働ける環境があった
この時の僕は、IT系の会社に勤めており、場所を問わずストレス無く仕事が出来るインフラがある恵まれた環境にあった。
たとえば、社員には携帯性に優れるMacBookAirが支給されており、日々持ち運ぶことが億劫ではなかった。また、よくあるハードルのひとつに社内データへのアクセス権限があるが、これはVPNを使うことで、社外においても社内にいるのと100%変わらないものをもらえていた。
同僚とのやりとりが不便になるかという懸念もあるかと思うが、会議室にはビデオ電話会議システムが網羅されており、自宅からでもFace to faceにほぼ近い感覚で話をすることが出来た。そもそも国境をまたぐような会議になると、早朝だろうが深夜だろうが時間を問わず入ってくるし、上司はそもそも海外にいるし、家にいようが、東京のオフィスにいようが、大きな差が無かったりする。
そういった環境においては、無理に会社に出勤したり出先から戻ったりするよりも、自分が最も仕事をしやすい場所を選んだほうが、効率的に正解になる。そうであれば、深夜だろうが土日だろうがいつでも会社に出動できてしまうような職住近接の生活よりも、毎日午後6時には会社を出る前提として少し離れた土地を選ぶほうが、生活が落ち着いて良いのではないかと思った。
2,リモートワーク(在宅勤務)を選択する人が今後増えてくる気がした
リモートワーク(もしくはリモート勤務・在宅勤務)に関してのツイート数を調べてみたのだが、 2015年3月時点では、最も多い日で1日81件、他の日は1日あたりおよそ20-60件ほどの間で推移している。
※ソースはYahoo!リアルタイム検索
具体的に今日気になったツイートはこちら。
リモートワークが進むと、これからは一つの会社に勤務するだけでなく、複数の会社に所属して仕事ができそう。月火はここで、水木はここ。金曜日は自分のプロダクトを開発するなど。収入も安定するし、好きなこともできていいですよね。
— 入江 慎吾@フリーエンジニア (@iritec_jp) 2015年3月25日
リモートワークやビジネスモデルの話をすると、「普通はそこまでドラスティックに変えることなんて出来ない」と言われる。しかし、私たちにとってはドラスティックに変えたつもりはなくて、少しずつ変えてきただけで、自分たちは変化の痛みなんて感じてない。ただ変化していくことを止めたことはない。
— Yoshihito Kuranuki (@kuranuki) 2015年3月23日
ピクセルグリッドさんでは、GoogleハングアウトかSkypeでリモート打ち合わせも。リモートワークでは通勤時間がゼロなので、時間に余裕がでる。妻の里帰り出産に着いていく夫や、家賃が合う地域の3LDKに住みたい人も、問題なく仕事ができていた。 #mttokyo
— Akiko Kurono (@crema) 2015年3月19日
このツイート数がどのくらい今後伸びていくのかは分からないし、トレンドと呼べるくらいになるまでリモートワーク人口が増えるのかは分からないけれど、こういったツイートをながめている限り、いろいろと議論になっているトピックスであることは確か。個人的には、リモートワークを支持しているので、自分が当事者になってみることは、面白い実験になるのではないかと思った。
3,都心の生活を離れたとき、何を感じるか知りたかった
最後はかなり個人的なもの。
僕は職業柄、消費者の実態や、購買活動の動機などを深堀りする、 マーケティング・リサーチと呼ばれる仕事をしていた。いわゆる「インサイト」と呼ばれるような生活者の本質をとらえて、それをサービスや製品の開発や広告制作の指針とすることで、よりよいマーケティングをしていこうという話だ。
ただ、この「インサイト」というものはなかなか難しく、そもそも当事者じゃない人間が当事者のことを理解できるのか、という問題がある。僕は子供がいないし、男性だし、そういった人間に、子育て中の母親の本音が本当にわかるのか、という話だ。会議室の中でデータをならべたりツイートを分析したり、そのように言葉や理屈の上ではわかっても、実感がない。
マーケティングの現場でいつも思うこと。それは、都心から出てきたアイデアを、都心の人たちが、都心に住む人たちのために製品化していくプロセスを繰り返しているということだ。たとえば、田舎に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんにとってテクノロジーやソーシャルメディアが何を意味するかとか、どんな可能性があるのかとか、そういう話は出てこない。そもそも、わからない。都心に住んで日々忙しい生活を送っている人たちが、夜通しの会議をしたりしていて、そこで出てきたアイデアを元に製品の開発や広告の制作をしているのが現状だ。想像力を働かせるにしても限りがある。
もちろん、軽井沢は田舎ではなく、半都会といったほうがいいかもしれない。東京に負けないくらいおしゃれなカフェも、食べログで4つ星以上がつくような素敵なレストランも、そしてなにより大きなショッピングモールがあるから、東京のにおいも残っているだろう。それでも、東京を離れた生活がどのようなものなのか、そこで何を感じるのか、自分事として体験してみるのは勉強になるのではないかと思った。
まあ、とりあえずまとめるとこんなところかと思う。これから軽井沢から新幹線通勤する体験を綴っていこうと思う。リモートワークの良い点も悪い点も述べていきたいと思う。そして、ここ数年東京23区の生活にどっぷり使ってしまった自分が、その土地を離れて生活をしながら抱く感情にも興味がある。
ということで、このブログ記事が、いつか誰かの役に立ちますように。
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このブログについて:とあるIT系企業に勤める会社員が、軽井沢から東京に新幹線通勤して、きちんと仕事がまわるのかを実験している記録です。新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。
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