#軽井沢から通勤するIT系会社員のブログ

2015年4月から軽井沢-東京で新幹線通勤中。遠距離通勤やテレワークの話題を中心に綴ります。軽井沢移住の裏話も。

テレワーク✗育児で日本社会は変わるのか:@ryu_higa さんの #育児自宅勤務日記 から考える

「テレワーク」という言葉が世の中に少しずつ定着してきた。

 

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※グラフは Yahoo!リアルタイム検索より、日量ツイート数。この期間のピークは375件/日。

  

ただ、国土交通省の テレワーク人口実態調査(平成28年度)によると、15歳以上の雇用されている就業者で、在宅型のテレワークをしているのは7.7%と、実情としてはまだまだ浸透していない状況。

参考:http://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/p2.html

 

ちなみにこの値は「テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合」ということで、「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(平成29年5月30日閣議決定)」におけるKPI(業績評価指標)なんだとか。いやー大丈夫かな・・

 

そんな中、Twitterのタイムラインを眺めていると、育児しながら在宅勤務しようとしている強者を発見。

 

 

@ryu_higa さんは前職での同僚。いろいろ話を聞きたいなーとお願いしたところ、快くインタビューのリクエストに応じてくれた。未来の働き方を考える上でとても参考になる話ができたので、文字起こししたものを残しておこうと思う。 

 

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 ※インタビューはテレワーカーらしく、ビデオ会議で実施

 

 

  

育児をしながらのテレワークになぜ挑戦したか

 

@ryu_higa さん、こんにちは。今回の企画、こちらのツイートを拝見して、なかなかおもしろいことをやっているなあ、と思って私が話しかけたのがきっかけなんですよね。

 

 
― 早速ですが、どのような経緯で、今回、このような働き方を試してみようと思ったのでしょうか。

 

はい。実は2人目の子供が生まれる予定がありまして、その際に、妻が出産するタイミングから2週間ほど、会社に一切出勤せず、家事もこなしつつ、仕事がまわるかどうか、やってみました。

 

― その背景にはどんな思いがあったのでしょうか。

 

そうですね、キャリアと育児の両立ができるかを試したかったというのがその理由ですかね。世の中の働くお母さんがやっていることを男性の自分もやってみる。仕事もしつつ育児もする、ということがどういうことなのかを理解したい、そこにチャレンジしたかったというか。

 

― なるほど。ただ一方で、育児休暇を取得して、一定期間育児だけに集中するという選択肢もあったと思うのですが、あえて働きながら育児にこだわった理由とは何だったのでしょうか。

 

そこは、休んで育児をするというよりは、働きながら育児をするということにこだわりました。うちは二人子供がいて、一人が息子なんですけれど、彼が大きくなったときは男性が育児をするのが当たり前になっている時代になっていると思うんです。「イクメン」なんて言葉が存在しないことが当たり前の社会が来る。そのときに息子に、「君も育児をやったほうがいいよ」と説得力を持って言えるようになりたかった。

 

― その考え方はすごい前を見ていますね。実績を残すことで、未来の子供にとってのロールモデルになろうとした、ということか。

 

はい。自分が育児をやっていないと「おまえやっていないじゃん」と言われて終わりだと思うんですけれど、僕がやってたその時のツイートが残っていれば、「ああ父親はやっていたんだなあ」と感じてくれると思うので。




職場、そしてお客さんの反応は

 

― 次に、職場での反応を知りたいんですけれど、まず上司からはどんな反応がありましたか?

 

上司に関しては1ヶ月前に意向を伝えたところ、「オッケー。じゃあ全部整えてね」とだけ。特に具体的な指示はありませんでした。

 

@ryu_higa さんが普段からきちんと仕事をして、それが評価されているからだとは思いますが、それは嬉しい反応ですね。

 

あとは職場の同僚に対しては、1ヶ月ほど前からいろいろな準備をしていました。例えば、共有カレンダーに育児勤務する予定を入れて周知させたりとか。

 

― なるほど、直接伝えるだけではなく、カレンダーに入っていれば、予定を組むときに、その人に気づきを与える事もできる。

 

周知するときも、単純な伝達だけではなくて、少しだけパーソナルな部分を見せて共感してもらうのも大事でした。「出産日はいつになるかわからないので、1週間前後するかもしれないのでそのときはご理解ください」、といった形で、家庭の事情や自分の立場なども、周りに理解してもらうような匂わせ方をしてしました。




― 得意先からはどんな反応があったのでしょうか?

 

得意先とは、週に1度の定例会があるような付き合いなんですが、お会いした際に直接伝えました。それも、一度でなく、何度も話を出すようにしました。メールだけでの報告になると、「え、なんでやらなければいけないの?」という反応になってしまうので、丁寧に伝えるように心がけたのと、徐々に理解してもらえるようなプロセスを踏みました。




「あえてお客さんに直接会いに行く」という営業としての感覚

 

― 実際にやってみて、得意先との関係はどうでしたか。

 

2週間のテレワーク期間が終わって、得意先の方と面と会うと、「やっぱ会って話すと違いますね」「印象が随分変わりました」と言われました。営業なら会いに行くのが仕事、という考え方が以前はあったと思うのですが、それってこれからの時代にはそぐわなくなる。むしろ、会いに行くときと、ビデオ会議ですませるときと、使い分けをするようになると思うんです。

 

― ここぞというタイミングで、あえて会いに行く、みたいな感覚なのでしょうか。その話、とても面白そうなので、もう少し具体的に教えていただいてもいいでしょうか。

 

僕ら(営業)って直接会わなければ行けない、という文脈が存在していると思うんですよね。初対面なら直接に会いに行くのが当たり前、上司が会いに行くなら自分も帯同して参加するのが当たり前、というような前提が。



ただ、そういう常識を、今回をきっかけとして、自分の中では再構築しようとしていて。営業という立場として、多くの情報を伝えたいときはきちんと会いに行く。単純に伝達ならメールで十分。会いに行くのは手段であって、ゴールは伝えることなので。それがテレワーク環境でも伝わるならテレワークで十分。対面でしか伝わらないことなら対面を選ぶ。そんな感じですかね。

 

― ああなるほど。話を聞いていてふと思ったのですが、スポーツで言うと、全力疾走するときとジョギングで流すときとあるじゃないですか。なんというか、そういう感覚に近かったりしますか?意図的に力を抜くときは抜いて、常に本気でやらない、というような印象を受けたのですが。

 

そうですね、例えばサッカーで、ボールがタッチライン出そうになっているところを、余裕で間に合うときなのに全力で取りに行くのって、ただのポーズですよね。無駄な走りというか。ビジネスでも同じで、余裕がある時には走らなくてもいいんじゃないかと思うんです。ただ、若いときはいつ全力で走ればいいのかわからないので、いつも全力で走ってしまうんですけれど。ただある程度、経験を積んだ、中堅の立場になるとそれがわかってくる。

 

― たしかにそうですね。営業が客先に会いに行くときって、往復の交通時間だってあるわけだし、電車賃もかかる。それって積もり積もると、大きなコストですよね。私は逆に、外部のパートナーに発注する立場なので、ある程度コミュニケーションがすでに取れている相手に対しては、ビデオ会議でも良いですよ、というように言うようにしています。3人も4人も来ていただくと、その人数分を合計すると数時間になるわけじゃないですか。だったら会いに来なくていいから、その分、請求書から値引いてくれよ、みたいに思うこともありますし。まあそこまでいうと傲慢に聞こえますが、余裕があるときには、テレワークを選択して、節約できた30分や1時間を別の仕事に使ってほしい。それで納品物や提案の質が上がるなら、むしろそちらを選んでくれた方がいいし。そういう考え方もあると思います。

 

僕の得意先はどちらかというと、基本的には「必要な情報が必要なタイミングで頂ければ問題ありません」というスタンスなんで、テレワークについては全然抵抗がなかったんです。ただ、それでもあえて句読点を打ちたい、アクセントを付けたい、そういうときには営業らしさを見せたいと思いました。泥臭いんですけれど、営業の価値って、相手の記憶にどれだけ残っているかということだと思うんですよね。

 

― なるほど。会いに行くというのは、印象の与え方の一つ、ということなんですね。だから、ここは勝負、というタイミングでその切り札を使う。営業だから会いに行かなければいけない、という時代ではないけれど、あえてそのカードを切る。ちなみに具体的にはどんなタイミングになるんでしょうか。

 

例えばわかりやすいのが、謝罪。謝るときは、実際に出向いた上で頭を下げなければいけないと思います。その時の自分の服装や雰囲気も含めて、それが全部謝罪だと思うんで。相手から見ると、謝罪だからこういう恰好なのかなあ、とか、全体的な雰囲気を含めてメッセージを受け止めると思うんです。だから、画面上で伝わるような情報伝達だけではいけないし、普段とは違った印象の与え方をしないといけないんだと思うんです。

 

― 情報を伝える、というのはテレワークでもできるんだけれど、感情を訴えるというのは対面でないとできないこと、ということはありそうですね。脳科学の世界では、人間の記憶は感情に結びつくと強固になる、という話を聞いたことがあるのですが、直接会いに行くことはそういうメリットもあるのかもしれませんね。

 

テレワークを本気でするなら、ハードへの投資は理にかなっている

 

― テレワークってハード面、ソフト面、両方に課題があると思うんですけど、そのあたりで感じたことを教えてもらってもいいでしょうか。


このブログで以前にも書かれていたと思うのですが、ハードウェアは大事だな、と。いわゆるコミュニケーションインフラへの投資の意義を、すごく感じましたね。例えばBoseのスピーカーとか、ホワイトボードとか。


この記事をはじめて読んだときに、いや、そこまでやるのか、やりすぎじゃないか、と思ったんですけど、実際にやってみて思ったのは、やはりインフラは大事で、そこまでしたほうが絶対いいよね、それらを揃えておく価値はあるな、僕も買いたいな、と思いましたよ。

 

― それ、ブログを書いた立場としては、ありがたいフィードバックですね。いいスーツを着るのと同じように、インフラもきちんとした、良いものを整えましょう、それがビデオ会議での良い印象に直結するよ、ということだと思うんです。

 

はい。その上で感じたことをいくつかお伝えしようと思いますが、まずは「有線の安心感」ですかね。無線技術、Bluetoothって便利なんですけれど、たまに切れたりするじゃないですか。コードがないことって便利なんですけれど、テレワークに関しては目に見えるケーブルでつながっている信頼感は絶対的だと思います。Wi-Fiはある程度技術が確立しているんですけれど、それ以外のマイク、イヤホン、カメラ、このあたりの装備はケーブルでつながっているものがいい。無線環境だけだと不安なんですよ。

 

― その不安というのは、仕事に支障が出るレベル、ということでしょうか。

 

そうです。音声が切れたりすると、打ち合わせの雰囲気も悪くなるし、相手にも迷惑がかかるし。営業だから、相手にかけるストレスはなければないほど良い。そういった不安を抱えながらビデオ会議したくないんです。だから、ブログにも書いてあった「有線がいい」、その一言がすごい響きました。わかるわー、有線最強、みたいな。だから結局、このiPhoneに付属しているイヤホンマイクにたどりついて、正直言うと見た目はダサいんですけれど、やはり有線が安心できるって思います。

 

― なるほど、オーディオ系は有線最強、と。ビデオ会議っていろいろなところに神経使うので、不安要素は極力少なくしたいですよね。ハードウェアが不安定だったり、信頼できなかったりすると、変なストレスが相手だけでなく、自分にもたまりますし。それが生産性の低下だったり集中力を奪っていくことになる。

 

そうなんです。ネガティブな要素はなるべく避けたいというか。

 

― ちなみにビデオ会議はどのような環境でやっていたんでしょうか。

 

ビデオ会議をやっていた場所は、このリビングです。

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自分の部屋だと、後ろに個人的に読んでいる本だったりとか、インテリアとか、情報が出てしまうので。パーソナルな要素が入ってくると、シリアスな雰囲気になりにくいんですよ。部屋がどうですね~とかいう話をされると、そのあとの話の内容にも影響しやすい。だから、真っ白な壁を背景にして、お客さんと会議してました。

 

― なるほど、そういった雰囲気作りも大事ですよね。営業だとスーツを着たりして、その場の雰囲気を作ると思うんですけれど、ビデオ会議だとこのスクリーンだけで勝負しなければいけない。スクリーンに写っているひとつひとつが情報になると感じていて。私、前職で退職交渉をする際、階層でいくと3つ上のボスとビデオ会議をする機会があったのですが、ちょっと落ち着いた雰囲気で話をしたかったんです。そのときには、自分の部屋でなくて、あえて黒い壁紙のあるところに移動して、黒を背景にしてビデオ会議していたくらいなので。

 

それは徹底してますね。その点で言うと、ウェブカメラも大事でしょうか。Macbook にカメラがついているから、それがあればいいやって思うかもしれないですけれど、目を合わせているつもりでも合っていないんですよね。目線が合うから伝わる情報ってあるなあって。

 

― 目線を合わせることって、すなわち画面に映っている自分をどのように演出するか、ということだと思うんですけれど、どのような工夫をされていたんでしょうか。

 

目線を合わせているときって、相手の話を聞いている、っていうメッセージを発していることになると思うんです。言うならば、フレーム全体がメッセージボードみたいな感覚で。こいつ俺のことちゃんと聞いてるな、っていうのはボディランゲージで伝わるので、目線を合わせることも一つのコミュニケーションだと思うんです。

 

― ああ、それすごいわかります。私も過去に上司が外国人で、ビデオ会議でコミュニケーションをとることがほとんどだったので、いろいろなテクニックを身につけました。たとえば、常に手元にペンとノートを用意しておいて、ここ大事だなーみたいなことを上司が言ったタイミングで、あえて画面に映るような角度でペンを取り出して、ノートに書くふりをするんです。

 

それはすごい技ですね(笑)。さすがに上司といつもリモートで働いていただけあって、画面でのコミュニケーションに慣れてますよね。表情の作り方とか、アイコンタクトだったりとか。そのあたりってテレワークスキルだなあと思います。あと、逆に対面だとそうでもないけれど、ビデオ会議でやるとすごく失礼に見える仕草もあって。例えばタイピング。テレワーク環境にいる人がタイピングすると、すごい音が入るので、気になる。

 

― 対面だとさほど気にならないレベルのノイズも、マイクがしっかり拾ってしまいますからね。相手にダイレクトに関心の無さが伝わるというか。ただ逆に、私の場合は、手元に音が出ないキーボードを用意していて、会議があまり自分向きでないな、と思ったら、そのキーボードに切り替えてタイピングしたりするといったことをしていたこともありました。これ、あまり人には教えたくない裏技なんですが。あとは、メモをとるふりをして、実は下にスマホ置いてタッチしているとか。大事なことをメモしているフリをしながら、Twitter見ていたりする。

 

わかります。変な話、全部が全部まじめなミーティングじゃないじゃないですか。力を抜くべきタイミングもあると思いますし。その時間をどうやってすごすか。それも、大事なスキルだなあと思いますね。

 

― そうですね。他には何か、テレワークをする上で気になったことはありますか。相手方に対して気づいたことなど。

 

相手に対して、という点だと、ビデオ会議を待つ時間は気になりました。普通の対面のミーティングだったら4、5分の遅れって何も感じないんですけれど、ビデオの中では2,3分でもすごい長いなって感覚があって。

 

― それは私も同感です。なんというか、ずっと構えていなければいけないんですよね。あと、会議のメンバーがオフィスにいると、トイレに行っていて遅れているとか察する事ができるんですけれど、ビデオ会議だとその人がリンクを踏むまでそういった予兆がないので、5分も待たされると、忘れていないかなあ、本当に人が来るのかなあ、という不安になりますし。

 

まあ、オフィスで会議室でやる打ち合わせって、それが10時半から11時までだとだいたい11時ギリギリに終わって、次のミーティングルームへの移動時間があるので、2~3分、ときには5分くらい遅れてスタートすることがあるんですけれど、それってビデオの前で待っている人はすごいストレスになる。だから、自分はそうしたくないと思って、ビデオ会議だけでなく、ミーティングの時間感覚はシビアになりました。

 

― それわかります。私も、ビデオ会議があるときには、その前の会議は早く終わらせるように心がけています。そういったのも、もしかしたらテレワークを快適にするための文化として、これから作っていかないといけないものなのかもしれません。



テレワークスキルの底上げは、社会全体の課題か

 

― 今、テレワーク文化から、ちょっとずるいような裏技も含め、いろいろな話をして思うのですが、こういったビデオ会議のうまさというのは人によって、あるいは会社によってばらつきがあるのかなあと思うんです。スクリーンのうまい使い方だったり、演出のスキルだったり、マナーだったり。@ryu_higa さんの場合、社内にはそういったテレワークの文化が根付いているのでいいとしても、得意先にも同じようなスキルが求められる状況だったと思うのですが、そのあたりはどんな感想を持っていますか。

 

そうですね。私の場合、得意先がデジタル系の広告代理店なので、同じようにITリテラシーレベルが高い人たちばかりでしたので、そのおかげで上手くできた、というのはあると思います。デジタルでのやり取りに不慣れな広告代理店だと難しかったかもしれません。対面ベースでの打ち合わせで意思決定をすることが多く、テレワーク環境でコミュニケーションをとることに慣れていない人がほとんどだと思うので、上手くやりとりができたかどうかは、正直わからないところがあるかなと。

 

― まあ、人によるのかもしれませんが、その会社に文化がないような慣れていない人に対して、いきなりやれ、といっても難しいですからね。そもそもウェブカメラのついたノートパソコンが支給されていない、といった、テレワーク用のハードウェアがない場合もありますし。

 

ビデオ会議の理解度や習熟度についてスタート地点が人によって違う現状があると思うんです。で、そのレベルの引き上げは、日本の労働者が生産性を上げなければという中、実際の所まだまだできていない。比較的すすんでいるような、IT業界や広告業界でもそんなレベルなので、先は長いですよね。

 

― 話をしていると、この課題について、僕らの世代がテレワークが当たり前になるよう、もっともっと使っていく必要があるんじゃないか、ってことを実感します。おそらく、このようなビデオ会議でコミュニケーションすることに一番慣れている世代って、スマートフォンを使いこなすデジタルネイティブだと思うんですけれど、一方で下の立場は始めにくいという問題もあると思うんです。上下関係というよりは、意思決定ができなかったり、フィードバックを多く必要とする見習いの立場で働いている人も多いでしょうし。だから、我々のような、仕事に慣れている中堅世代が、いろいろ失敗もするとは思うんですが、このような試行をもっともっとしないといけない。そして、最終的にはテレワークの成功モデルを作っていく役割を担うべきなんじゃないかな、と思うんです。

 

確かにそうですね。そういう点では、あえてひとつ言わせてもらいたいことがあって。僕の場合は、育児勤務した期間において、その四半期のチームの売上目標をきちんと達成できたんです。もちろん、個人の売上目標も達成できた。だから自分では、ひとつの成功モデルを作れたと思っていて。だからこそ、こういう体験は人に伝えたいし、こういったインタビューをしてくれるのも嬉しいし、この記事を読んでくれている人にも成功してほしい。営業でもできるんだって自信を持ってほしいし、テレワークがさらに普及するといいなと思うんです。

 

― ほんとそれ。テレワークインフラだけでなく、テレワークスキルが社会全体で上がっていくといいですよね。



家族との関係の変化

 

― 最後に、少しパーソナルなことも聞きたいのですが、家族との距離感って変わりました?

 

圧倒的に息子との距離感は変わりましたね。短かったですけれど、妻の出産にともなう入院中は、父と子だけの生活を送ることができたので。ただしそこでは、僕が息子に対してびっくりすることが多かったです。こいつ、意外にできるんだな、という気づきというか。幼稚園に行く際に忘れ物を指摘されたりとか、洗濯物はここにしまうんだよとか、もう寝ないとだめだよ、とか。意外といろいろ見ているんだなあ。この経験をするまでは、ただの子供としか見ていなかったけれど、意外と大人な部分もあって。見直しました。

 

また、妻との関係についても変わった部分があって、それは家事をコンビネーションでできるようになったということなんです。コンビネーションというのは、私が今までやっていたゴミ出しとか食器洗いとかって、点の家事なんですよ。ただ今回の経験では、妻が炊事しながら僕が幼稚園の準備をしたりとか、ふたりで役割分担をして、流れに乗った家事ができるようになったんです。全体的に、育児に積極的に関与するようになりました。うちの妻は、私に対してあまり「ありがとう」と言わないタイプなんですけれど、それでも、感謝の気持ちはすごく伝わってきます。

 

― それは良いチームワークですね。

 

義理の両親との関係も変わりました。育児に関わってくれてよかった、と言われたりとか、がんばっているのすごいわかるよ、と言われたときには、思わず泣きそうになりました。何より、家族全体とのコミュニケーション量が増えましたし、関係そのものがいい方向に変わったなと思います。

 

 

― 仕事面では何か変化はありましたか?仕事との距離感。例えば私は、普段オフィスに出社すると時間って無限にあるように思えるんですけれど、在宅してテレワークしていると、タイムリミットを意識せざるを得ない。例えば、幼稚園に迎えに行く時間とか家族でご飯を食べるタイミングとか、そういうタイムリミットができると思うんです。仕事もプロジェクトですけれど、家もプロジェクトな訳で。2つのプロジェクトを並行して進めている感覚というか。

 

そうですね。まずは仕事に対して一番の気持ちの変化は、こういう機会をくれた職場、上司、得意先に対して感謝の気持ちが生まれたということでしょうか。普通に仕事をしているだけだと、「あいつ仕事できるな」とか、「嫌なやつだな、なんだこのやろう」とか(笑)、そういう平面的な感情しか持てなかったんです。ただ、今回、この挑戦に協力してもらっているので、そうするとまずは「ありがとうございます」、と素直に感謝の気持ちが持てる。

 

― 感謝の気持ち、大事ですね。テレワーク事情を理解してくれる相手がいるからこそ、仕事ができますからね。

 

あとは、今後、飲む量は減ると思います。ただ、お客さんとは、飲み会でなくとも、ランチとか、お酒がない場所でもできることはあるので、そういった機会を増やし、もっと関わりたいと思っています。

 

― 私も新幹線通勤をしているので、東京で飲むことは本当に少なくなりました。でも、その代わりにランチとかで埋め合わせることは、やろうと思えば簡単にできるんですよね。そのためにも、ビジネスランチミーティングの文化はもっと根付いてほしいです。 

 

仕事は「最悪失敗してもいい」プロジェクト

 

次に、仕事は失敗してもいい、と割り切れるようになったことはあります。取り返しがつくことがほとんどじゃないですか。仕事は失敗したらまたやればいいし、謝ればいいし、遅れたとしても間に合うし。一方で、育児のプロジェクトって、失敗すると取り返しがつかない。息子のバスがこの時間にここに来る、というのが決まっていて、その時間には必ずそこに着いていないといけない。そっちの方が優先度は高いですよね。だからその直前にミーティングが入って長引いてしまうと、時間が来たら自分はそのミーティングを先に出ないといけない。

 

― 仕事に関してあえて客観視すると、まあ相手は大人ですからね。そう考えると、大人が相手のプロジェクトって、育児に比べたら楽なものですよね。

 

それは感じますね。何かをお願いすれば、やってくれますし。もちろん、たまーに嫌なやつはいますけれど、大抵の人は大人なので、きちんとまわしてくれる(笑)。

 

― そういえば以前こんなツイートをしていましたが。

 

これは、息子との関係の中で学んだことがあって。自分がわかっていて、相手がわからないことがあるし、相手がわかって、自分がわからないことってある。

 

わからないことはわからない、って、それを正直に伝えることが大事かなと。子供の場合、感情的に怒ると、泣いちゃって収拾がつかない。そこから学んだこともあって、仕事でもわからないことをわからないと伝えるのが大事だなと思ったんです。で、そうすると「できて当然」という誤解から生まれる負の感情が少なくなる。子供から、そんな当たり前のことを学びました。

 

― 仕事についても考え直すきっかけになりますね。いつもではだめだと思うんですけれど、失敗しても良いプロジェクトですし、失敗したら取り返せばいい。話の中で、そんなことにも気付かされました。

 

@ryu_higa さん、ありがとうございました!

  

 

 

今回のインタビューで学んだことはいろいろあるんだけれど、一つ言えるのは、テレワークもいろいろな形があり、@ryu_higa さんが挑戦した、育児をしながら在宅勤務というのは、ひとつの成功モデルになるのではないかと思った。

 

同時に、テレワークの普及に立ちはだかるいろいろな障壁や、スキルや経験の必要性についても見えてきた。これらは一朝一夕に解決できるようなことではないと思うんだけれど、今はこういう経験した人の話をまずはブログにまとめることが、小さな一歩になるのかなと思っている。

 

そして、それらの積み重ねが、より働きやすい社会、より育児しやすい社会、より多様性ある社会の実現につながるかもしれない。ともあれ、読んでくださった方々にとって、テレワークについて考える切っ掛けになればいいなと思う。 

 

ということで、このブログが、いつか誰かの役に立ちますように。

 

 

 

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このブログについて:とあるIT系企業に勤める会社員が、軽井沢に移住し、東京に新幹線通勤して仕事がまわるのかを実験している記録です。新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。

 

 

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